「デジタルフォント」


株式会社 タイプバンク

 デジタルフォントには、ビットマップフォントとアウトラインフォントの2種類があります(図3-1)。ビットマップフォントは文字を点の集まりとして表し、アウトラインフォントは、文字の外形を関数曲線で表しています。但し、アウトラインフォントは画面表示やプリント出力するとき、アウトライン情報からビットマップ情報に変換(ラスタライズ)する必要があります。 ビットマップフォントを拡大するとギザギザの目立った文字になってしまうのに対し、アウトラインフォントは拡大・縮小の際に形が崩れにくいという利点があります。デジタルフォントの世界では、出力速度の速いビットマップフォントを画面表示に、拡大・縮小時に品質を保てるアウトラインフォントを印刷出力に使用するのが一般的です。

図3-1 デジタルフォント

 かつて活版印刷の時代には活字が、オフセット印刷の時代には写植書体が、その印刷方法に適した形に作られたように、コンピュータ時代のプリンタによる出力にも、美しく読みやすい書体が開発されるべきです。つまり、書体のデザインは、その折々に与えられた出力条件をクリアしたり、満足させることが大切なのです。タイプバンクでは、こういった考えをベースに、すべての書体にデジタル適性を持たせて設計しています。
 図3-2はアナログ原字と、タイプバンク明朝Mのアウトラインを例にとって、そのラスタライズされた状況を比べたものです。実際のアナログ原字のものよりも、デジタル適性を考えて作られているタイプバンク明朝のほうがきれいに出力されています。


図3-2 アウトラインとラスタライズ状況

図3-3 デジタル特性を考慮したエレメントデザイン

@横線のはりをなくし、ラスタライズのときの不統一感、よごれの原因を防ぐ。
A横線の太さを均一化し、ラスタライズのときの横線のばらつきを防ぐ
Bアナログ原字で行う横線を微妙に右上がりにする錯視調整はラスタライズのときにジャギとなるので、水平を保つ。代わりに右下がりに見えないようウロコ、カドウロコを高く大きくつくる。
C先端の太さを一定に保つことでラスタライズのときに生じるとぎれ、かすれを防ぐ。
Dゲタの丸みをなくし、高さの差をつけないことでラスタライズのときにゲタがなくなったり、欠けたりするのを防ぐ。

 デジタル適性を考えたエレメントの説明を具体的に示したのが図3-3です。図3-2のラスタライズ状況と比較しながら、デジタル適性の効果を確認してください。
 タイプバンクフォントをアウトライン化していただけるとわかると思うのですが、必要最低限の点と直線で構成されています。これはアナログの原字をただスキャニングしているということではなく、デザイナーが一字一字、一定のルールに沿って適切な位置に点を置いているからできることです。
 デジタル適性のデータ的な利点として、データ容量が少ないことがあります。また実際に、エンドユーザが文字をスクリーン上で立体的に変化させたり、アウトライン化してロゴマークを作成したりということがあるかと思いますが、そういったときにアウトライン加工しやすいといった利点もあります。また、つぶれ防止、かすれ防止にもなり、全ての出力解像度に対応しているということや、ヒントが付けやすいというようなメリットもあります。


Copyright(c)TypeBank
株式会社タイプバンクのホームページへ
お問い合わせ先:mediainfo@enfour.co.jp
リンクは、必ずhttp://www.enfour.co.jp/media/からでお願いします。